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「ひし目」網目の危険性

「ひし目」網目はデス・トラップ

現在、ハス田で使用されている防鳥網は、ポリエチレン糸を10~17cm程度の目合でひし形に編んだ「ひし目」網目が主流です。

このタイプは「縮結(いせ)」を利用して、束ねた状態では非常にコンパクトにまとまり、敷設する際に大きく引き伸ばすことができます。広い面積をカバーできる大きな網で、取り扱いが比較的簡易で安価な網なので、広く普及しています。

野鳥の羅網事故の大きな原因の一つは、この「ひし目」網目にあるのはないでしょうか。

実際に発生している羅網事故を見ながら、考えてみます。

「ひし目」網目に挟み込まれる事故

菱目防鳥網の危険1
風切り羽が網目に引っ掛かった例

風切り羽が網目に引っ掛かった例

  • 「ひし目」網目の鋭角部分(糸が鋭角に交差している箇所)に風切り羽が引っ掛かり、糸が羽の間に深く食い込む。
  • 羽を動かすと、網ごと引っ張られて網目が歪み、さらに絡まる。
  • 飛行不能になり、自重で下に引っ張られて糸に完全に挟み込まれ、抜け出せなくなる。
ひし形網目の危険2
足が網目に引っ掛かった例

足が網目に引っ掛かった例

  • 「ひし目」網目の鋭角部分(糸が鋭角に交差している箇所)に足が引っ掛かる
  • 引っ掛かった足が網地を引っ張って網目が絞り込まれ、足が抜けなくなる。
  • 飛翔不能になり、自重で網目が下に引っ張られて、完全に抜け出せなくなる。

網地に巻き込まれる事故

網の設置架の端や巻き上げた網の周辺などでは、網地が弛み網目が大きく歪んでいることがあります。

また、メンテナンス不備により網が破けていたり、設置架から外れたり隙間ができている場合には、弛んだ網地に体が巻き取られて身動きができなくなる悲惨な事故が発生します。

heron-net.jpg
天井網の端で羅網したゴイサギ(幼)

想像される羅網状況は、こんな感じ。網の一部が大きく歪んでいるのがわかる。

  • 天井網の端に出っ張った耳糸部分に足を引っ掛ける。
  • 体が半回転して天井網の端の部分に突っ込む。
  • 脱出しようともがいて、さらに弛んだ網端に体を巻き取られ、完全に身動きできなくなる。
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